肝移植ドナー候補の方に受けていただく検査項目を並べてあります。
(施設によって項目が異なることがあります)
検査項目の書かれたアイコンをタッチすると、説明ページに進みます。
貧血、肝機能、凝固機能、腎機能、手術前に必要な感染症の検査などを血液検査で調べます。
腕の静脈から血液を採取します。項目が多いので、採血量は多くなります。1回でおよそ30ml(試験管8本程度)です。採血後には、十分水分を摂るようにして下さい。
HLAとは、ヒトの白血球抗原です。
HLA検査ではドナーとレシピエントのHLA型をそれぞれ調べます。
リンパ球クロスマッチ検査は、ドナーとレシピエントの血液を掛けあわせ、反応をみるものです。
腕の静脈から血液を採取します。
試験管2本(15ml程度)の採血が必要です。
検査結果が出るまでには数日を要します。
レシピエントとドナーの血液検体を、同じ日に提出する必要があります。
腎臓や尿路に異常がないかどうかを調べます。
尿を採取し提出してください。
サプリメントを服用していると、異常がでることがありますので、問診の時にお伝え下さい。
女性の方で生理中の方は日をあらためますので、お知らせ下さい。
心臓の動きや脈の状態を調べる検査です。
両腕、両足首、前胸部に電極を当てて、心臓の電気的な活動をグラフの形に記録します。ベッドに仰向けに寝て、検査を受けます。5分程度で終了します。痛みはありません。
胸部や腹部の画像に大きな異常がないかどうかを調べます。
胸部は正面方向と側面方向、腹部は仰向けの姿勢でレントゲン撮影をします。
肺活量や呼吸の状態を調べます。
マウスピースをくわえて、技師さんの声掛けで、息を吸ったり吐いたりします。
脂肪肝の有無、血管の状態、その他肝臓に病気がないかを詳しく調べます。
また、撮影した画像を用い肝臓の大きさを測定します。
検査台に仰向けになって頂き、まず造影剤を注射します。ドーム状の検査装置で撮影します。撮影時間は10分程度ですが、準備も含めると30分ほどかかります。
絶食での検査となります。
造影剤の副作用や注意点については医師・看護師から直接説明を聞いて下さい。
胆管の状態をくわしく調べます。
検査台に仰向けになってもらいます。ドーム状の検査装置のに入り、磁気の力を利用して胆管を撮影します。撮影時間は、約20分程度です。
検査中大きな音が続きます。
検査室が狭いので、閉所恐怖症の方は相談して下さい。
絶飲食での検査となります。
便に微量の血液が混じっていないかを調べます。
専用の容器に便を採取して下さい。
大腸がんやポリープ、消化管の潰瘍などの病気がある場合、便に血液が混じることがあります。
ドナーの意思確認を含め、精神科専門医に診察していただきます。
担当の精神科医と面談して頂きます。
・心電図で異常を認めた場合
・これまでに心臓の病気があると言われたことがある方
・その他循環器の医師の指示があるとき
心臓の動きや心臓内の血液の流れを画像的に評価します。
ベッドに仰向け、または横向けになり、胸にゼリーを塗って、超音波(エコー)プローブをあてて検査します。30分程度かかります。痛みはありません。
・過去に喘息の治療を受けたことがある方
・呼吸機能検査で異常値があった方
・その他必要と判断された方
呼吸器の専門医による診察です。
肝臓を提供する手術を受けるにあたり、呼吸機能が問題にならないかどうかを判断します。
・心電図で異常を認めた場合
・過去に心臓の病気があると言われた方
・その他必要と判断された方
心臓の専門医による診察です。肝臓を提供する手術を受けるにあたり、心機能が問題にならないかどうかを判断します。
・現在の肝機能は正常だが過去に肝機能異常を指摘された方
・その他必要と判断された方
肝臓の組織(細胞)を顕微鏡で観察し、病気がないかどうかを判断します。
出血などのリスクを伴うので、1泊入院して頂いて検査します。超音波検査で確認しながら、皮膚の局所麻酔をして肝臓に針を刺し一部の組織を採取します。
代表的な検査を示しましたが、それ以外にも検査値の異常や過去に治療した病気などにより、これまでに示した以外の診察や検査が加わることがあります。
必要時には説明を追加します。
このパンフレットは、これから生体肝移植手術のドナーになられる貴方に、手術に伴って貴方の体の中で起こることや、手術後の体の変化について理解を深めて頂くために作られました。専門的な事柄についての解説書ではありませんが、「外科手術」を受ける場合共通して起こりうることや、術後の体のケアをしていく上で大切な事柄をできるだけ平易な言葉で記述しました。生体肝移植のドナー手術は基本的に「安全な」手術ですが、病気ではない体にメスを入れて肝臓を切り取ることは決して「簡単」なことではありません。ですから、これから貴方が受けられる手術のことだけでなく、術後の管理も含めたドナー手術の全体像をあらかじめ知っておいて頂きたいと考えました。
ドナーとなる方は、健康であるが故に「手術」や「入院」あるいは「検査」に関しての知識や経験が患者さん御本人よりむしろ少ない可能性があります。このパンフレットは、そういった方々を念頭に置き、その方々が受けられる「ドナー手術」そのものと、それに関連した基本的な事柄を記述することに努めました。
病気に苦しむ患者さんたちの救命を願い、ドナー手術に臨まれる貴方の決断は本当に尊いものです。そのお気持ちを大切にするためにも、ドナーおつぃて健康な臓器を提供された方が臓器の提供後もご自身の体のことで不安を感じたり精神的に問題を抱えたりすることなく、手術後安心してご自分の人生を歩んでいけるような手助けをすることは、生体肝移植医療の中で最も大切にされなければいけないことの一つです。
このパンフレットのご案内役をさせていだだく「肝臓君」です。
僕は貴方の体の中にあって日々命を支える仕事をしているのですが、ご自分の体の中にあってもその姿を実際に見たことのある方はほとんどないと思います。次のページ以降、ドナー手術の説明に関して肝臓の「左側」「右側」といった言葉が出てきますが、「左側」とは、僕の体の中でも三角に細く尖ったような形をしている部分、「右側」というのは反対に大きく広がっている部分を指します。僕の働きはたくさんあって「体の中の科学向上」と呼ばれることもあり、様々な種類の物質を分解したり反対に作り出したり、あるいは蓄えたりして貴方の健康な体を維持するのに役立っています。
生体肝移植という大きな手術に臨まれる 貴方の御理解を少しでも手助けできれば嬉しいです。
最初に手術そのものに関する大切な点を述べていきたいと思います。様々な経緯からいよいよ貴方は手術を迎える訳ですが、これからどんなことが起きるのか不安もあると思います。移植チームは知識と経験と持てる技術の全てを注ぎ込んで貴方の意思を生かすために手術lこ臨みますが、まず何よりも貴方自身がリラックスした気持ちで手術に臨むことが大切です。貴方が一番落ち着ける物を手元に置くとか、安心できる人に傍にいてもらう等、可能な範囲で回りのご家族の協力を仰ぐことも必要になってくるでしょう。
貴方のこれから受ける「ドナー手術」は病気に苦しんでおられる患者さんの為に貴方の健康な肝臓の一部を切り取る手術です。貴方の体から切り取られる肝臓の大きさは提供を受ける患者さんの体型などで違ってきます。
手術全体に必要な時間は、患者さんの状態や手術の進み具合にもよりますが、大体 6 時聞から 10 時聞くらいの間です。貴方自身が肝臓のどちらの部分を提供するのか、術前にちゃんと把握しておきましょう。
肝臓のどちらを切り取るにしても、傷の長さは十数センチ(場合によっては 20 センチを超えることもあります)に及びます。肝臓が切り取られる際、多くの場合同時に胆嚢も取り除かれます。これ以外に、神経の一部や筋肉の一部をどうしても切断しなくてはいけません。ほとんどのケースで手術後の生活に支障をきたすことはないのですが、多くのドナー手術経験者が、切った箇所周辺の感覚がぼんやりとしてしまったように感じるとロにされます。また、体に残る傷跡は、場合よっ ては形成できる可能性もありますが、傷自体を消すことは出来ません。
ドナー手術に限らず「外科手術」には「麻酔」が不可欠です。移植手術のように長時間にわたり体に大きな侵襲を伴う手術が可能になったのは、「麻酔」の進歩によるところが非常に大きいのです。しかし一方で、手術を受ける時は手術そのものについてと同じくらい「麻酔」についての不安を感じるという声も多いことから、ここでは簡単に「麻酔」についてご説明します。 「麻酔」とは、つまり薬を使って貴方を手術可能な状態にすることです。意識レベルを下げ、痛みを感じない状態にし、さらに体が本来持っている外からの刺激に反応する力(反射)を取り除くことで、手術ははじめて可能になります。これらの仕事を担当する「麻酔科医」は、貴方の手術が行われているあいだ中貴方の傍で全身の状態を管理し続け、手術が安全に行われるのを助けています。
ドナーとなる貴方が実際に受ける麻酔は「全身麻酔」と「硬模外麻酔」の両方です。「全身麻酔」は主に脳に作用するもので、呼吸にも大きな影響を与えます。そこで、手術中の呼吸を充分確保するために「筋肉弛緩剤」すなわち体の筋肉を緩める薬で意図的に呼吸を止め、その上できちんと「人工呼吸」を行うという方法が行われます。この方法により手術中の貴方の呼吸はしっかりと、管理され、安全性は高めるれます。また、現在医療現場で行われている「麻酔」は、薬を「手術中続けて必要な量だけ投与する」方法が主流であることから、手術の終了により薬の投与が打ち切られると同時に麻酔は醒め始めると考えられています。たとえば体の中の腸の動きは、遅くとも術後( 24 ~ 48 )時間以内に正常な動きを取り戻すとの報告があります。(注)一方、「全身麻酔」下で「人工呼吸」を行うには、「気管内挿管」といって貴方の気管に専用の管を挿入しなければなりません。これにより、手術後短期間ですが喉の奥に軽い痛みを感じたり、声が出にくくなったり、ロの中の感覚に違和感を覚えることがあります。しかしこれらの症状のほとんどは時間の経過と共に減少します。
次に「硬膜外麻酔」ですが、これは貴方の体の脊髄を取り巻いている「硬膜」という膜の外側にチューブを入れて薬を注入する方法で、主に傷の痛みを取り除く為に行うものです。薬は背中に入っているチューブを通して体に送られます。(点滴ではなく小型のポンプを使用)。但しこの「麻酔」は術後3日目くらいをめどにに中止されるため、その後に改めて強い痛みを感じるケースが多いことが解っています。しかしこの揚舎でも、痛み止めの「座薬」や「飲み薬」が適宜処方されますのでどうか安心して下さい。
(注)Principles and Practice of Anesthesiology 2nd edition
患者さんに提供される肝臓が無事摘出され、お腹を閉じる処置が全て無事終了すると貴方は手術室を出て入院するお部屋に移されます。まだ意識が断片的な場合もありますが、手術が終わった時点から貴方の体は確実に「回復」に向けて動き出します。回復過程と程度には個人差がありますが、ここでは肝臓の再生に関する研究結果をご紹介します。
人の体の中の臓器で肝臓は唯一「再生」する臓器だということが解っています。生体肝移植という手術はこの肝臓の再生力を利用する手術ですが、具体的に切り取られた肝臓がどのように再生していくのかを知る為に、たくさんの動物実験が行われてきました。動物実験に使われる動物の多<は「ラット」や「マウス」と呼ばれるねずみ達です。現在行われている生体肝移植手術は、このように実験動物となったたくさんのねずみ達と、繰り返し研究を重ねた多くの研究者の努力に支えられて生まれてきたともいえるのです。この医療が生まれた当初、肝臓の再生に関しては動物実験のデーターを踏まえた予測的説明しか出来ませんでしたが、最近では実際にドナーとなった方々の肝臓の再生のあり方がはっきりとつかめるようになってきました。以下のグラフはドナーとなった方々約 100 名(左葉ドナー 38 例、右葉ドナー 59 例)を追跡調査し、切り取られた肝臓の大きさの復元率を調べた結果をまとめたものです。(注)
肝臓の左側切除と右側切除を出べてみると、切除直後の大きさの復元率は右葉で少し悪いですが、再生スピードは早く、3ヶ月で(左右)ほぼ同じ(両方とも約 80 パーセント)復元率になっています。1年までの追跡で、右葉、左葉共に最終元のサイズの約90%まで回復していることがわかります。一方肝臓の働き具合を表す血液検査上の数値は大きさの復元よりも早い時期に回復することが解っています。(おおよそ術後2週間程度)
(主)日本外科学会雑誌 第 105 巻 第 10 号 2004
これからドナー手術を受けられる貴方への質問です。貴方は「癒着・ゆちゃく」という言葉をお聞きになったことがありますか? もし、これまでに一度もこの言葉を聞いたことがないのだとしたら、是非この言葉とその意味するものをここで覚えておいてください。外科手術を受ける方のほぼ 9 割近くの人に「癒着・ゆちゃく」は起こると言われていますが、そもそもこの「癒着・ゆちゃく」とはいったいどういう状態のことでしょうか?
「癒着・ゆちゃく」とは、外科手術によって切除された体の中の組織が、切り傷等が治る過程で自然にくっついていくのと同じように本来ならくっつかない相手とくっついてしまう状態のことです。この「くっつく」という働きは、傷ついた組織が治っていくために必要なものでもあるのですが、そのくっつく「相手」を間違えてしまうと体にとって望ましくない結果をもたらすことがあり、それらの現象のことを「癒着・ゆちゃく」と呼んでいるのです。
「癒着・ゆちゃく」があったとしても何も症状もないのなら問題はないのですが、「癒着・ゆちゃく」は時として深刻な症状を引き起こすことがあります。
たとえば、「腹痛」あるいは「腸閉塞・イレウス」などはその代表的なもので、特に「腸閉塞・イレウス」が起きた場合には緊急にお腹を開けて手術をする必要も出てきます。
「癒着・ゆちゃく」の起こる確率、範囲、強さは手術の種類や大きさだけでなく手術を受ける人の体質にも関係するといわれています。100% 「癒着・ゆちゃく」を回避することは不可能ですが、ドナー手術に伴う「癒着・ゆちゃく」のために日常の生活に支障をきたすようなことが起きないよう、移植チームは細心の注意を払って手術を行いますので、もし何らかの症状が認められるような場合は(痛みや嘔吐など)遠慮なく医師に相談してください。
● あまり神経質になる必要はありませんが、外科手術を受けること自体がこの「癒着・ゆちゃく」を引き起こす原因になりうるということだけは理解してください。
移植チームは貴方に手術を行うだけでなく、入院中ずっと貴方の「回復」の手助けをするために検査や採血を行いながら全身の状態をチェックし必要な処置を速やかに行います。しかしながら、貴方は大きな手術を受けたばかりですから、熱が出たり、体がだるかったり、あるいは傷の痛みがひどくて辛い思いをされることもあります。特に最初の一週間は発熱や全身の倦怠感に悩まされる場合は多く、食事もなかなか喉を通らない場合もあります。術後2、3日ではまだ、肝臓を提供した相手である患者さんの所に面会に行くのは大変な場合が多いです。
しかしながら移植チームは、採血結果やその他の検査結果に現れる貴方の回復状況を日々参考にしつつ、貴方の全身の状態を慎重に見守り治療を行います。貴方の体が順調に回復しているようなら、日を追って楽になっていくことは確かですし、先に述べた「癒着・ゆちゃく」を避ける為にも、トイレやシャワーなど、無理をしない程度に行動範囲を広げていくことも大切です。
貴方が入院を必要とする期間はドナーとして提供した肝臓の大きさや、手術後の回復状況によっても違ってきますが、おおよそ 2 週間から 3 週間くらいとされています。点滴がはずれ、病院で出される食事をちゃんと取ることが出来、発熱や腹痛などの症状がないだけでなく、血液検査上肝臓の機能を表す数値に異常がないことや貴方の肝臓の大きさをCTなどで確認した上で退院の許可が出されるのが一般的です。
退院の許可が出ると、貴方は家に帰り体を慣らしながら日常生活に戻っていくことになります。しかしながら検査数値上特に異常が認められなくても、貴方が大きな手術を受けたことは間違いありません。何となく疲れ易くて横になる時間が多かったり、傷が気になって腹筋に力が入らなかったり、あるいは食事の量が手術前にまで戻っていないなど、まだまだ手術以前の自分とは違うと感じることも少なくないと思います。
一般に血液検査上で肝臓の動きを表す数値に異常がない場合、退院後は特に積極的な治療は行われません。しかしだからといって全身麻酔で大きな傷跡の残る手術を受けた貴方の体は完全に元に戻っている訳ではありません。違和感が残っていることに必要以上に敏感になる必要はありませんが、栄養価の高い消化の良い食事を摂って体力を付け、適宜休憩を入れながら出来るだけ規則正しい生活を心掛ける必要があります。不安やあせりは体の回復を遅らせる可能性もありますので、心配事を1人で抱え込んだりすることのないよう、リラックスできる方法を工夫してみて下さい。無理のない範囲でストレッチをしたり、屋外の新鮮な空気を吸って散歩をすることも術後の体力回復には有効です。
それからこれは一番大切なことですが、退院時に移植チームから受けた説明にしたがって定期検診を必ず受け、心配なことは受診時に担当医に聞きましょう。特にドナー手術がこれまでで初めて受けた手術というような方の場合、自分の体の変化をどう捉えてよいのか解からない(今の状態が良いのか悪いのかの判断が付かない)と言う声も多く聞かれます。過度の遠慮は禁物です。心配な点を積極的に聞くことで心の負担が軽くなり、ひいては体の回復に繋がることも充分に考えられます。
患者さんを救う為に手術を受けられたドナーの方が、術後順調に回復されることは生体肝移植手術の中でも特に重要なことです。退院時は心身ともに充分な休養を取りつつご自分の体への理解を深めることが、回復への一番の近道となることでしょうか。
ドナー手術は、臓器を提供された貴方が手術前と同じように日常生活を円滑に行えるようになってはじめて成功と言えます。しかし多くの場合、ドナーとなる方々は移植手術以前から患者さんの介護者であったり生活全般を支える働き手であったりすることが多いため、時にご自分の体の回復だけに専念出来ない場合があります。毎日の生活を支える仕事や患者さんの介護、そして小さなお子さんの子育てなどから長期間にわたって離れることは現実には非常に難しいことも確かです。しかし、本来健康体であったとしても大きな手術を受けた後で充分な休養を取ることが出来ないまま日常生活に戻るのは、体の負担を考えた場合とても危険なことと言わざるを得ません。
それぞれのご家族にいろいろな事情もあろうかと思いますが、当分の聞はドナー御自身が意
識してご自分の体の状態に関心を持ち続けていだだき、できるだけ無理をしないことと同時に、心配な点やわからない点は気軽に移植施設に相談するお気持ちを持っていただくことが大切です。退院時に移植施設がお渡しする「ドナー健康手帳」を積極的lこ利用し、外来受診の時や問い合わせ時に役立てることをお勧めいたします。この手帳を活用することで、忙しい日々の中退院後は離れがちになる移植施設とスムーズな関係を保つことが出来ますし、何よりもご自身の体への関心を高めていただくことが可能になると思われます。
生体移植手術は、患者さん御本人だけでなくドナーとなる貴方、さらにはご家族御親戚にいたるまで、関わるすべての立場の方々に大きな影響を与える手術です。手術が成功すれば喜びも大きい反面、残念な結果となるケースも考慮に入れなくてはなりません。しかしどちらの場合においてもドナーとなった方々の人生は手術後も続いていくことは確かですので、ご自身の決断に誇りを持ってこれからの手術に臨んでくださることを願っております。
1.肝移植手術の適応と禁忌(きんき)
2.肝疾患の病状について
3.肝移植手術の概要
◇ 肝移植の種類 生体肝移植と脳死肝移植
◇ 全肝移植と部分肝移植
◇ 臓器提供者(ドナー)の条件
4.肝移植手術の現状と成績
◇ 日本における肝移植の件数(生体・脳死)とその成績
◇ 京都大学付属病院における肝移植の成績
◇ 米国からの報告(米国では年間訳6000件の脳死肝移植が実施)
5.ドナーの手術について
◇ ドナーの術前検査と手術、術後経過
◇ 起こりえる合併症について
6.レシピエントの手術について
◇ レシピエントの手術、術後経過
◇ 一般的な合併症について
◇原疾患に特徴的な合併症について
7.移植手術後長期経過してから
8.術前手術後長期経過してから
9.費用について
10.移植待機中の注意点
11.その他
ドナー手術(左葉系切除)の合併症
762例、1990年6月〜2007年10月)
年令:18〜66才(中間年令34才)
合併症の程度 | Ⅰ | Ⅱ | Ⅲa | Ⅲb | Ⅳ | Ⅴ | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
腹部合併症 | |||||||
胆汁漏出 | 29 | 7 | |||||
胆管狭窄 | 1 | 1 | |||||
腹水貯留 | 4 | 3 | |||||
手術後感染 | 25 | 6 | 5 | ||||
腸閉塞 | 10 | 2 | 3 | ||||
腹腔内膿瘍 | 2 | ||||||
門脈血栓 | |||||||
肝不全 | |||||||
その他 | 10 | 10 | |||||
腹部外合併症 | |||||||
胸水貯留 | |||||||
肺塞栓症(疑いも含む) | 4 | 1 | |||||
呼吸器系 | 3 | ||||||
心血管系 | |||||||
その他 | 16 | 1 | |||||
例数 | 合計 143 | 97 | 26 | 15 | 4 | 1 | - |
頻度(%) | 総数 18.8% | 12.7 | 3.4 | 2.0 | 0.5 | 0.1 | |
Grade Ⅲa 以上の合併症 2.6% |
ドナー手術(左葉系切除)の合併症
2007年11月〜2009年7月 54症例
年齢:23〜63才(中間年齢40才)
合併症の程度 | Ⅰ | Ⅱ | Ⅲa | Ⅲb | Ⅳ | Ⅴ | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
腹部合併症 | |||||||
胆汁漏出 | 2 | ||||||
胆管狭窄 | |||||||
腹水貯留 | |||||||
腸閉塞 | |||||||
腹腔内膿瘍 | |||||||
門脈血栓 | |||||||
肝不全 | |||||||
その他 | 3 | 2 | |||||
腹腔外合併症 | |||||||
手術創感染 | 4 | ||||||
胸水貯留 | |||||||
肺塞栓症 | |||||||
呼吸器系 | |||||||
心血管系 | |||||||
その他 | 1 | 2 | |||||
例数 | 合計 15 | 4 | 5 | 6 | 0 | 0 | 0 |
頻度(%) | 合計 27.7% | 7.4% | 9.2% | 11.1% | 0 | 0 | 0 |
Grade Ⅲa 以上の合併症 11.1% |
ドナー手術(左葉系切除)の合併症
2007年11月〜2009年7月 54症例
年齢:23〜63才(中間年齢40才)
合併症の程度 | Ⅰ | Ⅱ | Ⅲa | Ⅲb | Ⅳ | Ⅴ | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
腹部合併症 | |||||||
胆汁漏出 | 2 | ||||||
胆管狭窄 | |||||||
腹水貯留 | |||||||
腸閉塞 | |||||||
腹腔内膿瘍 | |||||||
門脈血栓 | |||||||
肝不全 | |||||||
その他 | 3 | 2 | |||||
腹腔外合併症 | |||||||
手術創感染 | 4 | ||||||
胸水貯留 | |||||||
肺塞栓症 | |||||||
呼吸器系 | |||||||
心血管系 | |||||||
その他 | 1 | 2 | |||||
例数 | 合計 15 | 4 | 5 | 6 | 0 | 0 | 0 |
頻度(%) | 合計 27.7% | 7.4% | 9.2% | 11.1% | 0 | 0 | 0 |
Grade Ⅲa 以上の合併症 11.1% |
本書は、(以下レシピエントとも書きます)が受ける治療法について、患者さんご自身とそのご家族に内容等を説明するものです。
あなた方はこの治療法に含まれる利益と危険について充分に理解された上で、これを受けるかどうかを決めて下さい。これは、インフォームド・コンセント(informed consent)と呼ばれる手続きです。
本書にはあなた方にわかりやすく説明するために、この治療法に関するくわしい情報が記載されています。もしわかりにくい点がありましたら、どうぞご遠慮なく担当医におたずね下さい。この治療法について充分ご理解の上、この治療法を受けるかどうかを決めて下さい。
なお、この説明は最低2回行われます。再度、同様の説明をお受けになったうえで、ご意思が変わらなければ、その後に依頼書に署名、捺印をして下さい。
手術は健康な人から肝臓の一部を取り出しレシピエントに移植するもので、この手術を生体部分肝移植といいます。この移植手術の特異な点は、脳死患者からの臓器提供ではなく、健康な生体からの臓器提供であることです。生体からの肝移植は、1988年に世界での第1例目が行われました。圏内では、1989年から始められ、その後実施症例ならびに実施施設の数は増加し、これまで2500例以上の生体肝移植が施行されています。
乙の手術では、まず臓器提供者の肝臓の一部が取り出され、血管や胆管がレシピエントのそれらとうまくつながるように体外で調整されます。一方レシピエントの方は自身の病気の肝臓が取り除かれますが、これは一旦取り除かれると再び体内に戻すことはできません。ついで、先に提供者から取り出された健康な肝臓が移植されます。乙の新しい肝臓の血管とレシピエントの血管が結ばれ血流が再開されると、移植された肝臓は働き始めます。次に、移植された肝臓の胆管とレシピエントの腸管(または胆管)とを縫い合わせた後、おなかの創を閉じて移植手術は終了します。その後、ICU(集中治療室)に運ばれて術後管理が行われます。
脳死者からの肝移植では、手術自体は成功しても移植された肝臓が最初から全く機能しない事態が約3~10%の確率で発生します。しかし、生体部分肝移植では健康な生体から肝臓を取り出してすぐに移植できるため、このような危険性は大幅に減少することがこれまでの経験から判っております。
また、準備した部分肝が、移植患者にとって小さすぎたり逆に大きすぎたりする場合が時にあります。大きすぎるのは小児移植において、レシピエントの肝臓が占めていたスペースに比べて、いただいた提供者の部分肝の方が大きい場合です。小さすぎるのは成人移植において、肝臓をもらうレシピエントの体格が大きくて、いただける肝臓が相対的に小さい場合であります。肝臓は、どの部分でも好きなように大きさを調節して分割することができる訳ではなく、一定の区域が設定されていて、この区域の境目で安全に分けることができます。
これに従うと、最も小さい区分は、左外側区域といわれる左の端の部分で、肝臓全体の約4分の1となります。次に大きい区分は肝臓の左約3分の1にあたる左葉で、最も大きいのが肝臓の右約半分から3分の2に相当する右葉と時ばれる部分です。そとで、あらかじめ術前にいただける肝臓の大きさをCTという検査で推定し、いただく肝臓の大きさを調節して、できるだけ安全なように工夫して手術を行うようにします。小児移植で左外側区域を用いても大きすぎる場合は、レシピエントの手術の最後に腹壁を閉じずに一部創を開いたままにしておくか、または合成材料を補助的に用いて開腹します。これは一時的な処置で、後日整復が可能です。一方成人移植では、肝臓の右葉が用いられることが多くなりますが、提供者の体格が小さい時にはそれでも十分な肝臓をいただくことができない場合があります。肝臓が小さすぎると、術後十分な働きができず、場合によってはレシピエントが重篤な状態となることもあります。従って、十分な大きさの肝臓をいただけるに越したことはないのですが、提供者の安全も非常に大切であり、成人移植の場合には、このいただく肝臓の量を慎重に検討しています。
肝移植は大手術で、多くの危険性があり、移植患者が死亡する可能性も無いわけではありません。この手術は、肝臓手術の経験が豊富な医師の手によって行われますが、移植手術前の患者さんの全身状態が非常に悪い場合には、そのぶん術後合併症の生じる確率が高くなります。
生体部分肝移植をうけられるレシピエントの手術操作に関する主な合併症は次の4つに分類されます。1)自己の病気の肝臓を摘出することにともなう合併症、2)血管をつなぎあわせることにともなう合併症、3)胆管をつなぎあわせることにともなう合併症、4)その他の合併症です。
1)肝臓は血管の豊富な臓器で門脈や肝静脈など太い血管とつながっています。また、以前に手術の既往があると、肝臓の周りの腸や胃が強く癒着していることもあります。したがってレシピエントの肝臓を摘出する際には、出血の危険性があり、時には大出血を来す可能性もあります。そのような場合には、多くの輸血を必要とします。
2)血管をつなぎあわせた場合、つなぎあわせた部位から出血したり、逆につまったりすることがあり、部分肝移植をうけた患者の約20%(最も多い報告では)に起こります。いずれも、移植した肝臓に大きな打撃を与えます。このような合併症をおこすと、移植肝に充分な血液が流れなくなり、移植肝がまったく働かなくなることもあるので、血管を修復するための再手術(再移植ではありません)が緊急に必要となります。
3)胆管は肝動脈からの血行をうけています。したがって肝動脈の血流が悪いと、胆管への血行が悪く胆管の組織が壊死し、胆汁が漏れたり、胆管が狭くなって胆汁の流れが悪くなることがあります。充分な血行が保たれるよう細心の注意を払うことによってこの合併症を少なくすることは可能ですが、それでも漏れたり狭くなった場合には、処置(手術や、レントゲンでみながら広げる処置など)が必要となります。特に胆管の狭窄は、術後しばらくたってから生じることもあります。
4)これまで受けた手術や移植手術中に行われた腸管に対する手術操作によって、移植手術後に腸管の縫合不全や破裂または腸管出血が生じ、再手術を必要とすることもあります。また、移植された部分肝の切離面から出血や胆汁の漏れが生じる場合もあります。術直後の管理では、特に小児手術の場合には大人に比べて呼吸器系の合併症も多く、時には長期にわたって気管内に管を入れて人工呼吸器による呼吸管理を必要とする場合もあります。腎臓の機能が低下した場合には短期間の人工透析を必要とする場合もあります。
術後の長期的合併症としては、a)拒絶反応と、b)感染症があります。
肝移植を受けたすべての患者さんは、術後の拒絶反応を軽くするため免疫抑制剤を投与されます。これらは免疫力の低下や成長障害などの副作用をひきおこしやすい薬剤ですが、移植手術の術後管理にはなくてはならないものです。もしも免疫抑制剤を全く使用しない場合には、移植された肝臓に対する拒絶反応はほとんどの患者におこります。拒絶反応には、移植後1週目から1~2ヶ月くらいに最もよく見られる急性拒絶反応と、その後数ヶ月から半年以降に徐々に進行していく慢性拒絶反応があります。免疫抑制剤を投与されていても拒絶反応が起こることがあり、黄痘や肝機能障害が現れ、診断のために肝生検が必要なこともあります。もしも移植後に拒絶反応が起こっても、その90%以上は免疫抑制剤の増量または追加によって治療可能であり、免疫抑制剤を適切に使用すれば、拒絶反応のために移植された肝臓が失われる危険性は小さくなります。
拒絶反応を軽くするための免疫抑制剤は免疫反応を抑える作用があります。免疫反応は様々な病気の原因となる微生物の感染から生体を防御する働きがありますが、この能力は免疫抑制剤によって逆に低下します。そのため術後感染症が起こり易いので全ての患者が抗生物質や抗ウィルス剤、抗真菌剤の投与を受けます。時には、感染症が死にもつながる最大の合併症になる場合もあります。
術後免疫抑制剤として、プログラフ、サイクロスポリン、ステロイド等2~3種類の薬剤が投与されます。感染症以外に、これら免疫抑制剤自体の副作用として、高血圧、多毛、糖尿病、歯茎の肉が厚くなる、腎臓障害、発ガン、などの問題があります。このため、できるだけ少ない投与量で有効にお薬を効かすために、血液中の薬の濃度を測定したりして個々の患者さんにあった投与量に調節する工夫をしています。長期的には、これらの免疫抑制剤の量を減らし、最終的にはプログラフ1剤だけの少量投与を一生継続していくことになります。また、できるだけこのような副作用を少なくする工夫をして薬を使うように努めますが、どうしても不都合なときには、薬をいったん中止したり、変えたりする必要があります。免疫抑制剤の主な副作用については別紙資料(1)にまとめてあります。
術後、一定期間後に集中治療室をでたあとは、一般病棟へもどって管理を続け、特に問題がなければ1・2ヶ月で退院となります。術後に肝臓の機能が悪くなったり、感染の兆候が見られた場合には、定期的な血液検査に加え、超音波検査、胆管造影、胃カメラ、などを緊急におこなう必要が出てきます。退院後は、はじめは毎週、大学病院か、あるいは近くの病院で血液検査などをうけて経過をみられることが必要です。安定してきたら、その間隔はもう少し長くできるようになります。
長期的な経過に影響を与える問題として、一部の疾患では移植後に再発する危険性があります。B型やC型肝炎のある患者さんは移植後に再発すると言われており、再発予防や再発後の治療のために抗ウィルス薬などの投与が必要となります。悪性腫療の場合は移植後に腫蕩の再発の危険性があり、再発発見のための定期的な検査が必要です。またその他の一部の疾患でも移植後の再発が問題になることもあります。この点については個々の患者さんについて説明します。
京都大学医学部では1990年6 月より生体部分肝移植を開始し、現在は年間約100例の症例がこの手術をうけています。この移植手術の成績は別紙資料(2)にグラフにして有りますのでご参照下さい。全体的には、血液型適合例では5年生存率が小児で約80%、成人で約70%であり、血液型不適合では10~20%ほど成績が悪くなります。また、レシピエントの移植手術前の状態も移植後の経過に影響を与えます。手術前に、肝臓障害のために意識が無くなったり、大量の吐血や下血をしたり、たくさんの腹水で呼吸が困難になるなど全身状態が重篤で、移植前から集中治療室での管理を必要とした症例を緊急症例とよび、一方、自宅あるいは入院中でも通常の内科的管理で手術を待っていた患者さんを待機症例とよんでいますが、緊急症例と待機症例では明らかに成績に差がみられ、1年生存率の差は、緊急症例で約10%低くなっています。
ドナー(肝臓提供者)の安全性はこの手術で最大の要件です。圏内ではすでに2000例以上の生体肝移植が行われていますが、私たちは最近1例のドナーが死亡されたという重大な経験をいたしました。また、外国では少なくとも7例の死亡が報告されており、ドナーの安全性の確保はきわめて重要な問題であります。私達はドナーの安全性に対してさらに細心の注意を払い、今後いっそうの努力を尽くすよう心がけております。
生体肝移植症例全体の成績は、脳死患者からの全肝移植や部分肝移植に比べても決して劣るものではなく、世界的にも注目されています。しかし、なかには予測できない合併症のため不幸な結果となる場合もあり、私達はこの数字を100%に近づけるためさらに努力を重ねています。
肝移植手術の最大の利益は、これを受けない場合近いうちに必ず亡くなるであろうと危倶される患者さんを、この治療法により救命できる可能性があるということでしょう。
生体からの臓器提供による生体部分肝移植手術では、健常な肝臓を用いるので、脳死患者から肝臓を提供される場合に比べて、より高い術後生存率をもたらす可能性があります。提供者と患者の手術計画を能率よくおこない、移植する肝臓を摘出してすみやかに植えることができるので、移植肝を保存する場合に起こる障害も最小限に抑えられます。
また提供者と移植患者の聞の組織適合性については、免疫学的により適合した提供者を選択できる可能性があります。腎移植では、血縁の無い脳死患者からよりも家族からの生体腎提供の場合の方が、移植臓器の生着率が非常に高くなっています。肝移植では、血縁者間の生体肝移植の長期観察例はまだ多くないので、現在のところでは、家族からの生体臓器提供の持つ利点については腎移植の場合のような豊富な資料は有りません。しかし私達の経験では、急性拒絶の頻度がやや少ない傾向にあり、より早い時期に免疫抑制剤の量を減らすことができる可能性があると考えています。
ここで強調しておきたいことは、移植された部分肝は、一時的にではなく、有効に働き続け得るということです。部分肝は、全肝移植手術の場合と同様に機能し生命を支え続けるととができます。部分肝は、たとえ移植手術時には幾分小さくてもその後次第に大きくなり、逆に大きすぎる場合でも、移植患者の体がそれに相当する大きさになるまで、正常に機能することができます。その後は、患者が成長するのに合わせて移植肝も大きくなっていきます。部分肝移植と全肝移植の間で、肝臓の機能にはほとんど差がありません。
もしあなた方が、この移植手術を望まれない場合でも、患者は今までと同様に、継続して治療を受けることができます。
肝臓移植後に発生した拒絶反応、特殊感染症等に対して、欧米諸国ではすでに認可されているが日本では未認可な薬剤(免疫抑制剤や抗菌剤など)を救命処置として使用する可能性があります。これに関しては、個別に説明をおこない承諾を得てから使用します。
(別紙1)
免疫抑制剤は移植後の拒絶反応を抑えるために不可欠のものでありますが、同時に免疫力を低下させるため感染症が起こりやすくなる危険性があります。またその他にも以下のような様々な副作用が現れる可能性があります。
3大副作用(腎障害、心障害、糖尿病)、手指の振戦(ふるえ)、頭痛、四肢のしびれ、けいれん、下痢など。
注意点:免疫抑制療法の中心になる薬。血液検査で血中濃度を測りながら服用量を決める。グレープフルーツ、グレープフルーツジュースと一緒に服用しない。
腎障害、高血圧、糖尿病、肝障害、多毛、歯肉の肥厚、手指の振戦など。注意点:免疫抑制療法の中心になる薬。血液検査で血中濃度を測りながら服用量を決める。グレープフルーツ、グレープフルーツジュースと一緒に服用しない。
発育障害、満月様顔貌、にきび、肥満、消化性潰湯、白内障、糖尿病、高血圧、高脂血症、骨粗懸症、精神障害など。
注意点:通常タクロリムスやシクロスポリンと一緒に使われる。拒絶反応が起こったときには治療として注射剤で大量を短期間使用する。
下痢、食欲不振、白血球減少、貧血など。
白血球減少、食欲不振、吐き気、肝障害など。
白血球減少、食欲不振、吐き気、口内炎、勝炎など。